夫婦で介護した場合|両方が特別寄与料を請求できるか
夫婦で被相続人を介護した場合、それぞれが特別寄与料を請求できるのか。夫婦共同介護の計算方法と注意点を解説します。
夫婦で介護した場合の特別寄与料
被相続人の介護を夫婦で分担して行った場合、それぞれが独立して特別寄与料を請求できるのかが問題になります。
基本的な考え方
特別寄与料の請求権は個人単位で発生します。夫婦がそれぞれ介護に寄与した場合、原則として各自が個別に請求可能です。
ただし、以下の点に注意が必要です:
- 一方が相続人の場合、その者は「寄与分」で主張し、他方(相続人でない配偶者)が「特別寄与料」で請求する
- 夫婦両方が相続人でない場合は、両方が特別寄与料を請求できる
- 合計額が遺産総額の範囲内に収まる必要がある
計算例:長男夫婦が義父を介護したケース
- 前提条件:
- 長男(相続人):主に休日の身体介護を担当
- 長男の嫁(非相続人):平日の日常介護・家事援助を担当
- 期間:5年
- 要介護度:要介護3
- 長男(寄与分として):
- 身体介護:8日/月 × 3時間/日 × 4,000円 × 60ヶ月 = 5,760,000円
- 裁量的割合(要介護3):60%
- 寄与分(概算):約346万円
- 長男の嫁(特別寄与料として):
- 身体介護:22日/月 × 2時間/日 × 4,000円 × 60ヶ月 = 10,560,000円
- 家事援助:22日/月 × 2時間/日 × 2,500円 × 60ヶ月 = 6,600,000円
- 合計:17,160,000円
- 裁量的割合(要介護3):60%
- 特別寄与料(概算):約1,030万円
夫婦合計:約1,376万円
よくある質問
Q. 夫婦で介護を分担していた場合、どう証明すればいいですか?
介護日誌に「誰が」「何を」行ったかを明記することが重要です。例えば「月〜金は妻が食事介助・入浴介助、土日は夫が入浴介助・外出付添」のように役割分担を記録してください。
Q. 合計額に上限はありますか?
特別寄与料は「遺産の額から遺贈の額を控除した残額」が上限です。寄与分には法律上の上限規定はありませんが、実務上は遺産額が上限となります。夫婦の合計が遺産額を超えることはできません。
アドバイス
夫婦で介護する場合、役割分担を明確にし、それぞれの介護内容を個別に記録することが大切です。「一緒にやっていた」という曖昧な主張よりも、「夫は週末の入浴介助、妻は平日の食事準備と服薬管理」のように具体的に区分できると、請求が認められやすくなります。
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