特別寄与料の5つの要件|請求が認められるための詳細チェックリスト
特別寄与料が認められるための5つの要件を詳しく解説。親族要件・無償性・特別の寄与・財産の維持増加・時効について、判断基準とチェックリスト付き。
はじめに
特別寄与料を請求するには、民法1050条が定める要件をすべて満たす必要があります。要件を1つでも欠くと請求は認められません。本記事では5つの要件を詳しく解説し、あなたのケースが該当するかチェックできるリストを提供します。
要件1:被相続人の親族であること
基準
特別寄与者になれるのは「被相続人の親族」に限られます。親族とは民法725条に定義される以下の範囲です。
- 6親等内の血族(子、孫、兄弟姉妹、甥姪、いとこなど)
- 配偶者
- 3親等内の姻族(配偶者の父母、配偶者の兄弟姉妹など)
チェックポイント - 長男の嫁(1親等の姻族)→ 該当する - 孫(2親等の血族)→ 該当する - 甥の妻(3親等の姻族)→ 該当する - 内縁の妻 → **該当しない**(法律上の親族ではない) - 友人・知人 → **該当しない**
要件2:相続人でないこと
基準
特別寄与料は「相続人以外の親族」が請求する制度です。相続人自身は「寄与分」(民法904条の2)を主張すべきとされています。
チェックポイント - 相続放棄をした人 → 相続人でなくなるため、理論上は請求可能(ただし議論あり) - 相続欠格・廃除された人 → 同様に請求可能とする見解が有力 - 代襲相続人 → 相続人に該当するため、特別寄与料ではなく寄与分
注意点
被相続人の子が存命の場合、孫は相続人ではないため特別寄与料の対象です。しかし、子が先に亡くなっている場合、孫は代襲相続人となり、寄与分を主張することになります。
要件3:無償で療養看護その他の労務を提供したこと
「無償」の意味
完全に対価を受け取っていないことが求められます。ただし、以下は「有償」とは見なされない場合があります。
- 生活費の一部を被相続人の財産から支出していた(社会通念上相当な範囲)
- お小遣い程度の謝礼を受け取っていた
- 同居による住居費の節約
一方、以下は「有償」と判断される可能性があります。
- 被相続人から定期的に相当額の報酬を受け取っていた
- 介護を業務として有償で受託していた
「療養看護その他の労務」
法文は「療養看護その他の労務の提供」としており、介護に限らず以下も含まれます。
- 被相続人の事業への従事
- 家事労働の提供
- 財産管理への協力
ただし、金銭の給付や不動産の提供は含まれません。あくまで「労務」であることが必要です。
要件4:被相続人の財産の維持又は増加に特別の寄与をしたこと
「特別の寄与」とは
通常の親族間の扶助義務の範囲を超える貢献が求められます。
- 認められやすいケース:
- 要介護3以上の被相続人を自宅で数年間介護した
- ヘルパーなしで日常的に身体介護(入浴・排泄・食事介助)を行った
- 被相続人の事業に無償で専従的に従事した
- 認められにくいケース:
- 週末に時々様子を見に行った程度
- 短期間(数週間)の手伝い
- 同居していたが特段の介護はしていない
「財産の維持又は増加」
介護により施設入所を回避できた場合、施設費用分の財産が維持されたと評価できます。具体的には、特別養護老人ホームの月額費用(約10〜15万円)× 介護月数が目安です。
要件5:期限内に請求すること
時効
- 相続の開始及び相続人を知った時から6ヶ月
- 相続開始の時から10年(除斥期間)
チェックポイント - 被相続人が亡くなった日を正確に把握しているか - 亡くなってから6ヶ月以内か - 協議の申し入れまたは調停の申立てを行ったか(口頭ではなく書面で)
総合チェックリスト
以下の全項目に「はい」と答えられれば、特別寄与料を請求できる可能性が高いです。
- あなたは被相続人の親族(6親等内の血族または3親等内の姻族)ですか?
- あなたは今回の相続における相続人ではありませんか?
- 被相続人に対して無償で介護・看護・事業従事などの労務を提供しましたか?
- その貢献は通常の親族の扶助義務を超える「特別」なものでしたか?
- その貢献により被相続人の財産が維持または増加しましたか?
- 被相続人が亡くなってから6ヶ月以内ですか?
まずはシミュレーションを
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