特別寄与料シミュレーター

介護の寄与分が認められないケース|失敗しないための対策

2026-03-17

介護したのに寄与分が認められないのはなぜ?認められないケースのパターンと、事前にできる対策を家裁の実務に基づいて解説します。

寄与分が認められないケースとは

親の介護を何年も続けたのに、遺産分割で寄与分が認められない——こうしたケースは残念ながら少なくありません。家庭裁判所の統計では、寄与分の主張が完全に認められるケースは全体の約3割程度とされています。

この記事では、寄与分(民法904条の2)が認められないパターンと、その対策を解説します。

認められない5つのパターン

パターン1:「特別の寄与」に達していない

寄与分は「通常の扶養義務の範囲を超える特別の寄与」が必要です。以下は「特別」と認められにくい例です。

  • 週末に見舞いに行く程度
  • 月1回の通院付き添いのみ
  • 介護期間が1年未満
  • 訪問介護サービスを主に利用しており、家族の介護は補助的

パターン2:証拠がない

口頭で「毎日介護していた」と主張しても、証拠がなければ裁判所は認めません。特に重要な証拠は以下です。

  • 介護日誌・記録
  • 要介護認定の通知書
  • ケアプラン
  • 介護費用の領収書

詳しくは[証拠の集め方ガイド](/guide/evidence)を参照してください。

パターン3:他の相続人も同程度の介護をしていた

「兄弟全員で交代で介護していた」場合、特定の相続人だけが「特別の寄与」をしたとは認められにくくなります。

パターン4:対価を受け取っていた

被相続人から生活費の援助、家賃免除、給与などの対価を受け取っていた場合、「無償」の寄与とは認められません。

パターン5:そもそも相続人でない

相続人でない親族(長男の嫁、孫など)が「寄与分」を主張しても認められません。相続人でない場合は、特別寄与料(民法1050条)を請求する必要があります。

特別寄与料と寄与分の違いについては[こちらの解説](/guide/vs-kiyoubun)をご覧ください。

認められるための4つの対策

対策1:介護日誌を毎日つける

日付・時間・介護内容を具体的に記録しましょう。書き方のポイントは[介護日誌の書き方](/blog/kaigo-nisshi-kakikata-template)で詳しく解説しています。

対策2:要介護認定を受ける

要介護認定を受けていると、「被相続人に介護が必要だった」ことの客観的な証拠になります。要介護度と特別寄与料の関係については[要介護認定と特別寄与料の関係](/blog/youkaigo-nintei-tokubetsu-kiyo-ryou)をご覧ください。

対策3:専門家と共有する

ケアマネジャーに家族介護の状況を伝え、記録に残してもらいましょう。第三者の記録は強力な証拠になります。

対策4:金額の根拠を明確にする

「なんとなく多めに欲しい」では通りません。[シミュレーター](/simulate)で具体的な金額を算出し、計算根拠を示すことが大切です。

まとめ

寄与分が認められない最大の原因は証拠の不足です。介護中の方は今日から介護日誌をつけ始め、客観的な記録を積み重ねてください。すでに相続が開始している場合は、時効(特別寄与料の場合は6ヶ月)に注意して早めに行動しましょう。

よくある質問

寄与分と特別寄与料の違いは何ですか?
寄与分(民法904条の2)は相続人が主張できる制度で、遺産分割の中で考慮されます。特別寄与料(民法1050条)は相続人以外の親族(長男の嫁、孫など)が請求できる制度です。相続人でない場合は寄与分ではなく特別寄与料を請求する必要があります。
介護の寄与分が認められるには何年くらい必要ですか?
法律上の最低年数はありませんが、実務上は1年未満の介護では「特別の寄与」と認められにくい傾向があります。5年以上の介護実績があると認められやすくなります。期間だけでなく頻度や内容も重要な判断要素です。
寄与分の証拠として最も重要なものは何ですか?
介護日誌が最も重要な証拠です。日付・時間・介護内容を日常的に記録しておくことで、介護の事実を客観的に立証できます。それに加えて、要介護認定の通知書、ケアプラン、介護費用の領収書なども有力な証拠になります。

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