ヤングケアラーの相続と権利|若くして介護を担った人が知るべきこと
2026-03-17
ヤングケアラーとして祖父母や親族の介護を担った方にも、特別寄与料を請求する権利があります。ヤングケアラー特有の注意点と請求方法を解説します。
ヤングケアラーと相続の問題
ヤングケアラーとは、本来大人が担うべき家事や家族の世話、介護などを日常的に行っている18歳未満の子どもを指します。厚生労働省の調査によると、中学生の約5.7%、高校生の約4.1%がヤングケアラーに該当するとされています。
学業や自分の時間を犠牲にして家族の介護を担ったヤングケアラーにも、法的な権利が認められています。
ヤングケアラーが特別寄与料を請求できるケース
孫が祖父母を介護したケース
最も多いのは、孫が祖父母の介護を担うケースです。親(祖父母の子)が仕事で忙しい、あるいは不在のため、近くに住む孫が実質的な介護者になるパターンです。
孫は原則として祖父母の相続人ではないため、特別寄与料の対象となります。詳しくは[孫のケース](/case/mago)をご覧ください。
甥・姪が叔父叔母を介護したケース
親のきょうだい(叔父叔母)に子がいない場合、若い甥・姪が介護を担うこともあります。
ヤングケアラー特有の課題
1. 「介護をした」という認識がない
ヤングケアラーの多くは、自分が行っていたことが「介護」であるという認識を持っていません。「おばあちゃんのお世話をしただけ」と思っていたことが、法的には介護に該当する場合があります。
具体的には以下のような行為が含まれます。
- 食事の準備、配膳、片付け
- トイレへの付き添い
- 入浴の手伝い
- 薬の管理
- 通院の付き添い
- 夜間の見守り
2. 証拠が残っていない
幼い頃から介護をしていた場合、介護日誌をつけていることはまずありません。しかし、以下の方法で介護の事実を証明できる可能性があります。
- 要介護認定の記録(市区町村に保管)
- ケアプラン(ケアマネジャーが保管)
- 学校の記録(欠席・遅刻が多い場合)
- 本人の陳述書
- 近隣住民やケアマネジャーの証言
3. 時効の認知が遅れる
被相続人の死後、特別寄与料の制度を知るまでに時間がかかり、6ヶ月の時効を過ぎてしまうリスクがあります。
請求金額の目安
例えば、孫が祖母(要介護3)を週4日、5年間介護していた場合の概算です。
- 身体介護:16日/月 × 2時間 × 4,000円 × 60ヶ月 = 7,680,000円
- 裁量的割合(要介護3):60%
- 概算:約461万円
ヤングケアラーの場合、学業との両立の負担が考慮される可能性もありますが、現時点では判例が少なく、明確な基準はありません。
相続人になるケース
以下の場合、孫は相続人となるため、特別寄与料ではなく寄与分で主張します。
- 親が祖父母より先に死亡している場合(代襲相続)
- 祖父母と養子縁組している場合
特別寄与料と寄与分の違いについては[比較ガイド](/guide/vs-kiyoubun)をご覧ください。
今できること
現在介護中のヤングケアラーへ
- 自分が行っている介護を記録に残しましょう([介護日誌の書き方](/blog/kaigo-nisshi-kakikata-template)参照)
- 学校のスクールカウンセラーや地域の相談窓口に相談しましょう
- 介護は一人で抱え込まなくていいことを知ってください
過去にヤングケアラーだった方へ
- [シミュレーター](/simulate)であなたの介護がいくらに相当するか確認してみてください
- 被相続人の死亡から6ヶ月以内であれば、特別寄与料を請求できます
- 証拠の整理については[証拠の集め方](/guide/evidence)を参考にしてください
ヤングケアラーの介護も正当に評価されるべきです。制度を知り、権利を確認してください。
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